迷い

plus10_2

相沢康夫創作玩具展イベント初日でした。積み木ショー3回、ガイドツアー2回、最後に秘密講座と、相沢さんフル出演です。

最近、時々私の思いが迷子になっていました。私が大好きなおもちゃ達は、もう時代に合っていないのではないだろうか、と。スマホがあれば0歳からおもちゃがなくても子どもは過ごせます。動画や画像はものすごく子どもを惹きつけます。子どもにとっておもしろく、大人にとって便利なものです。もちろん、店内ではお子さんたちはおもちゃやゲームで目を輝かせて遊んでくれます。私の大好きな光景です。でも、子ども一人だけでいても長時間毎日相手をできるところではスマホの勝ちだろうと感じます。
それから、私の中ではおもちゃはかなり完成されていて、ここ数年は新商品を見てもトキメキが少ない。店内には好きなもの、良いと思っているものはほぼ全て並べてしまい、これらを超えるものが出てきている感じがあまりしません。むしろ廃盤にならないで…と願うほどなのです。こちらは変化しないのに、周りはどんどん進化していく、このままでは行き詰まってしまうのではないだろうか、と。

でも、このイベントを通して、相沢さんのお話をお聞きしたりして、なんだかスッキリしてきました。新しく変化していくことよりも、守っていくほうが難しいことなのかもしれません。私は『守っていく』ことを大切にしたいのだろうと改めて思いました。閉店後の特別イベント『サンタさんの秘密講座』は、少人数で相沢さんを囲み、思いを聞き、思いを語る場となりました。そこで印象に残ったのは、ネフ社創設のクルト・ネフさんの信念のこと。ネフさんは、幼児期には電子玩具からは遠ざけたい、仕組みがわかるものを子どもに与えたい、と、子どもが自分で遊んでストンと仕組みが心に落ちるおもちゃをたくさんデザインされました。一つ一つに本当に愛がこもっているのです。完全に子どもの心に寄り添っておられた方。そして、デザインも技術も最高のものを作りたい、ということも。ネフさんは愛に溢れた素晴らしい人格者で、相沢さんにとって、とても大切だった人、その人の信念だから守り通していきたいということでした。

迷わず、心を込めて愛をこめて作られた素晴らしいおもちゃ達をたくさんのお子さんに遊び続けていただけることを目指し、店とおもちゃと、何よりお客さまを一層大切にしていきたいと思いました。イベント続きで慌ただしくちょっと判断力が鈍っていたのかもしれません。でも今年の最後にこの個展を開催させていただけて本当に良かったと思います。思いだけでまだまだ力不足ですが、『残す』ということを引き継ぎ、さらに手渡していくことを見据えてこの先につなげていこうと思います。その気を引っ張り出した創作玩具展、残り1日ですが、ぜひお越しください。

Email this to someonePrint this pageShare on FacebookTweet about this on Twitter