ただこれだけのおもちゃ

これは、私が大好きな、ただこれだけのおもちゃです。
ディスクキューブ
白木の箱の中に溝があって、1つ穴から5つ穴までの5このディスクが収まります。それぞれのディスクは入る場所が決まっています。1を入れた後に2は入るけれど、2を入れた後だと1は入りません。全部入れるには1から順に入れないといけません。適当に入れていると余ってしまうなんだかスッキリしない感じ。全部収まった時の気持ちよさ。

disccube_1

ただこれだけなんです。
これで数や順番を教えよう、なんて思うとつまらなくなる気がします。子どもが3から入れたとしてもダメダメちがうでしょ、って言わないであげて欲しいおもちゃです。

0歳なら箱ごとひっくり返して転がり出たディスクをしゃぶっているかもしれません。少し指先が器用になってきたら、たいてい穴に指を突っ込みます。ちょっと大きい子だと「ブタの鼻〜」も結構やります。ほんとに地味なおもちゃだと思います。地味ですが、品格があってとても美しく丁寧な仕上がりです。

 

もうひとつ、ただこれだけのおもちゃ。
ビナリオ
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ハンドルを回すと棒が落ちてくるおもちゃです。ガシャンガシャンいいながら棒があちこち転がっていきます。これはちょっと賑やかなこともあって、よく遊ばれています。棚の奥の方に置いてあるのですが、いつも周りに棒が転がってます。

 

実はこの2つとも、ネフ社創立者である故クルト・ネフ氏のデザインです。なんだか、これで儲けようとか、デザイナーとして有名になろうとか、そういったことが全然感じられて来ません。これで子どもが遊んでいたら楽しいだろうなという思いだけが伝わってきます。どうやって遊ぶんですか?何のためのおもちゃですか?と時々質問をお受けしますが、お答えすればするほどこのおもちゃが持つ気品を削いでいっているような気持ちになります。そっと子どもに差し出し、子どもに答えを聞きたいおもちゃです。サンプルあります。ちょっと思い出したら遊んでみてくださいね。