一番いい時

子育てって、特に最初の3年くらいは本当に大変だと思う。一日中抱っこや授乳していた頃、言うことを聞いてくれなくなってきた頃、しんどかった。子どもが増えてから、もう手も足りなくて、辛かった、と思い返します。そんな時によく、先輩母が、『大変だろうけど、こんな時が一番いいのよね』と、言ってました。そんなものなのかなあ、そう言われてもピンときてなかったかも。そしてよく、『あーなつかしい、ちょっと抱っこさせて』と、手を伸ばしてきました。

今、その頃の先輩母の年齢。あーわかるわかる。ほんと、赤ちゃんやら、1歳やら2歳の子が、かわいくて仕方ないです。何やっててもかわいい。そんな頃のイタズラなんて、大人の手で修復可能なことばかり。この先、大人にもどうしようもできない苦しみが、子どもに必ずやってくる。それはそれで、大変。
『抱っこさせて』が、よくわかります。いつまでも抱っこできないから。さすがに末っ子も3年生になって、よほど具合悪いとかでないと抱っこということはないです。当時飽きるほど抱っこしなくちゃいけなかったのに、できなくなるとやっぱりあの感触が懐かしい。『ちょっと』ならほんとに一時的でいいから、楽しんで抱っこできる。そして、その『ちょっと』は、一日中抱いていなくてはいけないお母さんの、『ちょっと』の休憩でもあります。もうこれは良いこと一致!これからも、ご迷惑でなければ赤ちゃん抱っこさせてください!!

で、今、『ああ、あの頃は良かったなあ』と振り返りながら生きているのかといえば、そうではないです。今は今で楽しいの、実は。だって、私が良いと思った環境で育ててきてその影響を受けている人と、大人の付き合いができるんです。読んで面白かった本を共有し、一緒に映画を観る。音楽を聞く。ボードゲームして、おいしいものを食べに行く。子どもが経験してくる新しい世界を覗くのも楽しいです。試合の応援や演奏会を観に行くのも毎回ワクワクする。

あの頃一番いい時、というのは、守らなくてはいけない小さい人に対する使命感と、それから、子どもがとても柔軟な時だから環境を素直に吸収してくれる、という意味もあるのではないかと思うんです。こういう人に育って欲しいという思いを、最も伝えやすい時なんじゃないかな。育てる人の価値感覚をしっかり伝え、子どもはその中で育ち、そして大きくなってから対等に近づいて付き合っていく、それは、自分の一度限りの短い人生においてかなり貴重なひと仕事。

だから、本当に本当に大変だけれど、一所懸命やってみて損はないと、そう思います。

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