ツェルマットからベルンへ_Day8

ツェルマット3日目の朝。滞在中で一番きれいなマッターホルンが見えました。かっこいいです。いつでも見られるならともかく、また次に見られるかはわからない。名残り惜しく眺めていました。お天気が良いのでもう一度展望台へ行く?ともちらっと思いましたが、次に訪れるベルンでも時間が足りなくなるに決まっていますから、予定通りに移動します。

列車を乗り継いで、ベルンにはお昼ごろの到着となりそうです。ゆったりと座っていましたが、相変わらず必要最小限のアナウンス。日本の感覚だと、首都の駅に近づいたらくわしい案内が続き、言葉がわからないとしてもああ、次で降りるのだなと察することができますが、首都なのに、首都ベルンなのに、ぼそっと「次、ベルン」それだけ。停止しても暗くてよくわからない。ほんとに?と疑って、お向かいに座っていた地元の御婦人に「ベルンですか?」と聞くと、「そうよ、ベルンよ」とのこと。慌てて降りました。

ベルンは、乗り継ぎ以外に降車したこれまでの駅、ルツェルン、ブリエンツ、グリンデルワルト、ツェルマットとは規模が違う大きな駅で、どこに向かえばよいのか、しばらく固まります。だんだん把握できてきて、出口もわかり、ホテルに早めにチェックインもできて、身軽になりました。ベーカリースタンドでサンドイッチを買ってお昼ごはんとして、午後はバーデンに向かいました。

バーデンにある、スイス子ども博物館を訪れました。

バーデンは、電車で1時間ほどです。ここを知ったのは、5月にネフさん生誕100周年のポップアップ展示があり、記念ネフスピールが紹介されたことがきっかけです。

こども博物館の公式ウェブサイトは、今は日本語訳で読むのも簡単ですから、ぜひお読みになってみてください。スイスこども博物館で検索すると辿り着くと思います。この博物館がどんな意義を持った場所でありたいか、これまでの特別展のアーカイブなどがおもしろいと思います。

訪れたときは、常設展のほかに『書くこと』『宇宙』『馬』が特集としてフロアの面積を取っていました。子どもを取り巻いてきた歴史を視点の重点においており、書くことであれば、黒板からタブレットまで、さまざまな体験ができました。文字を入れて言語ボタンをタップすると、その言語で表示されるのがおもしろかった。現地の子どもたちに日本語文字人気でしたよ。

特別展を開催するたびにコレクションが豊かになっていくのですね。フレーベルとペスタロッチとモンテッソーリの特別展、見てみたかった。特別展のセンスが、ポスター含め素晴らしいと思いました。

体験、それから遊べるところがたくさんあって、おもちゃ博物館としても見応えありますが、子どもにとっては良い遊び場です。大人の関わり方も、見てないふりしながらじっと見てました。考えさせるように教えるの、上手ですね。

バーデン駅の地下を歩いていたとき、キックボードに乗った小さい男の子、年長さんくらいだと思うのですが、すれ違いざまに明るく「フィリピ〜ノ〜」と言いました。私の方を見ながらではなかったけれど、少し前から認識していたと思うし、アジア人である私を指して、軽い気持ちで言ったのだと思います。アメリカに住んでいたこともあり、アジア人差別的な扱いは初めてではありません。しかし、されるたびに気持ちが重くなります。しばらく、そう言われたことをぐずぐず思い返して嫌な気持ちになっています。

何に傷つくかと言うと、気分の良かったスイスで、まだ小さい男の子がそんなことを言うのだと、ちょっと夢を壊されたことにショックを受けてしまったのだと思います。その子にそう言わせる環境は何だったのだろう。

その後、ちょっと暗い気持ちで電車に乗っていましたが、4人がけのボックスにひとりで座っていたら現地の人が「ここ良いですか?」(これはスイスの鉄道の一般マナーのようです)と私に声かけし、どうぞどうぞと促したらニコッとありがとう、と相席となって、ちょっと気持ち持ち直しました。他に空いてる席もあるけれど、アジア人を避けて無理やりそっちに詰めて、私のところだけポツンだったら悲しさが増したかも。何人かの方が入れ替わって、そのたびに、どうぞ、と言って、自然にそこにとけ込んでいる気分になれました。

私も、日本の車内で、海外の方のお隣が一番混み具合からのバランスが良い席だったら、いいですか?と声かけて座ろうと思いました。