環境づくり

保育士現役時代、夏に参加した研修で初めてその先生の講義を聴いてびっくり仰天し、その場で著書を数冊購入したことがありました。この仕事を始め、偶然のような必然でまたその先生のお名前によく触れるようになりました。折々に、あの夏の日には知らなかったもっと衝撃的なエピソードについてお聞きするごとに、やはりただならぬ先生と改めて思い返します。

大胆な保育(のように見える)の中に全部包むような力があって、その中で印象に残っているのが「ウチの園ではどの子が発達障害のある子かわからない」という言葉です。言わんとしていることがわかるのは、私も店内にいると同じことを感じるからです。

クルテク店内はかなり遊べるようになっています。遊びへの入り方はそれぞれです。見た瞬間やりたいことがある子、最初しばらく興奮してやがて無言で熱中する子、大人に見ててほしい子、いろいろですが、よく遊んでいただいていると思います。その中で徐に「発達に偏りがあるかもしれないと指摘を受けました」と言われてから「え?どなたのことですか?」と問い返したくなるくらい、そのご指摘に少なくとも短時間店内で遊んでいただいているときは私は気づかないことが多いです。だってよく集中して遊び、おしゃべりして楽しそうですもの。

周りがどんなでも合わせることができるか、そうではなくて自分の好きなことなら集中するのか、そこが発達関連の指摘の基準ということなんでしょうか?
「こうあって欲しい」という制限の中でその通りに行動することが難しい場合も含めると、発達に偏りを持つ子は多くなると思います。その子の行動そのものがどうかという場合と、その子の行動が求められる規範に適合していないという場合があるように感じ、後者であれば環境次第で少し変わってくるように思います。その先生の園は環境や日課に力を注いでおられ、環境がその子に寄り添っているからどの子が発達障害のある子かわからないということになるのではないかと思うのです。

学校はそうはいかないかもしれません。しかし、幼児期に懐の深い環境にいたかどうかは、一人ひとりにとって大きなことのように思います。多様性を包み込む環境、それは自分で自分の行動を決める手助けをしてくれる環境、と置き換えることができるのではないでしょうか。だから、もっと一人ひとりの遊び(=良さ)を引き出す環境づくりについて学びたい。
保育STUDY2018は、何でこんなによく遊ぶんだろう?という、クルテク店内でよく聞かれる疑問への答えを環境づくりに見出してみたいと思います。幼児教育者だけでなく、学童期、特別支援へのヒントも見つかるかもしれません。