アレッサンドラさん出雲崎にて

昨日医学町ビルでのワークに続いて今日は出雲崎保育園でアレッサンドラさんのワークがありました。営業日だったので行けない…はずでしたが、すみません、急遽午前を休ませていただき出雲崎に走りました。

片道70kmの出雲崎、行けて良かったです。参加できたのは年中さんのクラスのみでしたが、とても勉強になりました。出雲崎保育園さんは、保育studyでも2年続けて事例を報告していただいたように、子ども一人一人の心に寄り添い、丁寧な保育、また豊かな遊び経験を実践されています。日頃の保育の積み重ねより、このワークを始める環境、つまり子どもたちの育ちは整っていました。子どもたちは落ち着き、意欲と好奇心を持って参加しました。

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フロッタージュの体験。紙にきれいな模様と色が浮かび上がる!クレヨンって、寝かせて使うこともできることを知りました。自分のお気に入りの色柄の紙を心のままに切り取り始めました。

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なんだろうね!おもしろい形が生まれました。

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みんなの色、みんなの形、どれも素敵。お気に入りのパーツを見つけ、紙に並べてみます。

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自分のパーツが好き、でもお友達のパーツもとても素敵。

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何かが見えてきた。紙からはみ出したって全然かまわない。

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取り組み方はみんな違います。そしてどのように取り組んでも間違いということはないワークだから、のびのびと安心しています。

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ノリで貼ったりペンで描き加えたり。何かができた子も、これから何かになりそうな子も。

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アレッサンドラさんが、ひとり一人に、何ができたか聞きます。みんなのを並べると、お話が生まれてきました。仲良しになったみたい。アレッサンドラさんはイタリア語で話しかけるし子どもたちは日本語で問いかけてるし、でもなんだか成り立ってますし。

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今日のワークはご都合のついた保護者さんもご覧になっていました。ワーク後、保護者さんに向けてのメッセージや、質問や感想をお聞きする時間がありました。

何ができたの?と聞かれて、わからない、という答えが一つありました。周りのお子さんもちょっと動揺して思いがけず言葉が飛び出したり、見ておられたママも少し焦りを感じたようです。

アレッサンドラさんからのメッセージは、「シェアする時間が来たときにまだ自分のものが完成していなくて何かわからないというのはとてもよくあることだし、それで良いのよ、これから何かになるかもしれないのだから。」ということでした。そして保護者さんとの時間に補足されたことは、この方は実はいろんな試行錯誤を繰り返していたこと。最初のインスピレーションからゴールを目指してパーツを集めていく方もあるし、手に取ったいくつかを並べながらイメージを完成させていく方もあります。アレッサンドラさんが「もうできたみたいね」と思ったものを2回崩していたそうです。きっともっと時間があったら何かになるまでゆっくり試したでしょう、見てあげるべきなのは作品だけではなくてその道筋です、という見方にハッとし、ホッとしました。子どもたちもそのメッセージをすぐに理解したようでした。同じ道具を使って同じ作業をしているようで、その過程では個性がとても色濃く出る。そしてどれもが認められる。アートワークを通すというのはそういうことなんですね。またその様子をしっかり把握されていたことに驚きました。私も見ていたけれど全然気づかなかった。

園向けのワークはクルテクで行う親子向けや子ども向けワークとはまた違います。子どもたちの第2の生活の場で行うのです。よく知っている仲間とのワーク。その集団の中で個を認め合う大切な時間となりそうです。国内でもこのワークは子どもと育ち総合研究所さんが行っています。ぜひ取り入れていただけたらと思います。

今日の出雲崎さんのワークでアレッサンドラさんの日本でのワークは終了です。羽田からイタリアに戻られるようですね。とても良い機会をありがとうございました。またお会いしたいです。2日間聞いたイタリア語は心地よくて、なんだか耳に残りました。何度も出てきた単語は少し覚えましたよ。巻き舌がなかなかうまくいかない!