かみさまからのおくりもの

とても好きな絵本があります。

ひぐちみちこ「かみさまからのおくりもの」

保育士時代に先輩保育士が子どもに読んであげていて知った絵本だったと思います。

ひとりひとり違う赤ちゃんがいて、どの違いもその子の大切なものとしてあたえられたもの。もしかしたら大人は気になってしまうところかもしれないけど、その子の良いところとしていただいたんだよというメッセージは、赤ちゃんを前に心配事だらけのときに、ちょっとピリピリが緩んだような気がします。


今、店内にはシルトクレートベビーが座っています。
みんなにとてもかわいがってもらっています。

先日ご来店の女の子が、静かに見つめたあと、優しく抱っこしました。
まだ1歳か2歳かの頃、ちがうベビー人形をお家におむかえしてくださったのですが、5歳過ぎた今も一日も欠かさず大切にお世話し、丁寧にお布団をかけて寝かせてあげているそうです。
そして、その日出会った新しい赤ちゃんもお家に連れて帰りたいと強く願いました。

ママは、もう5歳も過ぎて、お人形大好きで…いいんでしょうか…とちょっとだけ気になったみたいです。

そのときに私が思い出したのがこの絵本でした。
きっと、小さい人を大切にお世話する優しい心を与えられたのではないでしょうか、と思いました。
「赤ちゃんが二人になったらお世話も大変になるね。二人が一緒に抱っこしてー!って言ったらどうする?」と聞いてみました。そしたら「二人一緒に抱っこするよ」と頼もしいお答え。
「新しい赤ちゃん、お家にいらっしゃい」と、一緒に帰ることになりました。
何度も何度も、ママに「ありがとう、本当にありがとう」とお礼を伝えていました。

ママ、その日はクリスマスツリーを探しにいらしたのですが、あれ?ツリーが赤ちゃんになっちゃったね!と笑いながら、お人形が入った箱を大切に抱えてさよならしました。