主体性と計画・放置と管理

最新のこども園の教育保育要領解説を読み込んでいくと、しつこいくらい主体性という言葉が次々出てきます。キーワードですね。この主体性というワードは子どもの好き勝手にやらせることと理解されてしまっていることがあります。それでは危険なので主体性という言葉には注意が必要、そんな声を聞いたことがあります。

子どもの主体性とは、当然ながら好き勝手にやらせることではないですね。そう考えるということは通常のあり方が放置と危険回避のための管理になっているのかもしれません。子どもの主体性は大人の主体性、つまり計画や柔軟性とセットです。

この計画もなかなかの曲者。大人がゴールを既に描いていて、そこに到達することありき、参加の仕方を子どもの意思も尊重することで主体性を大事にしていると考えてしまうこと。でもそれは子どもの主体性に沿った計画とは言えない場合も。計画はとても大事なのですが、こんな活動をこのように進めようと考える従来の思考から、子どもからどうアイデアを引き出すか、引き出したものを子どものイメージに沿ってどのように準備してあげるか、そういう計画にシフトしていくことがキーワードを活かすことなのだと思います。高校時代に体育祭や文化祭を自分たちで仕上げたあの充実感のイメージでしょうか。行事の内容や飾り付けひとつにしても、子どもたちの考えを取り入れてみてもおもしろくなると思います。

口出しせず思うままにやらせる放置だけではいろいろ危ないし、では危なくないようにと指示管理を加えると子どもは萎縮してしまう。大人の計画に乗せていこうとすると子どもは自分で考える機会を失ってしまう。このさじ加減。ベテランさんは意識をこちらに向けてみようとするだけでスッと一気に進めるかもしれないし、若手さんは先入観のない吸収力や柔軟性が強み。活かしあって今求められているあり方に共に向かっていけると良いなと思います。