krtek スタディツアー 2024 -秋田市・浦河町から学ぶ-

krtek スタディツアー 2024を開催します

2004年10月にオープンした、遊びとおもちゃの専門店krtek select toysは、今年開店から20周年を迎えます。5年ごとに記念イベントを開いてきましたが、20年の節目は学びの旅を主催したいと思いました。

この企画のヒントは、2023年に参加したデンマークの学びの旅でした。日常を離れた場所で、その場所ならではの学びを深めることと、そこで出会った人たちとのご縁が印象深かったのです。

今回の訪問先も、デンマークの旅で出会った仲間たちが開いた場所です。学びの目的を同じくして集った人が、旅を終えて、それぞれの場所でその学びを実践に移し、活かしています。それは、これまでの日本の典型的なあり方を軽く超えた大きな試みであり、まだ貴重なものです。

子どもの幸せを見つける旅

予定している2箇所の訪問先の取り組みはそれぞれ違いますが、共通して根底にあるのは『子どもの幸せとは何か』を追い続けていることです。デンマークは国民幸福度世界一に何度も輝いた国です。その地で私達は、人々が幸せに生きる仕組みに触れてきました。そして、これは遠い国の夢のような話しではなく、自分の身の回りでも実現可能であることを感じてきました。しかし、追いつくには課題がたくさんあります。時間はかかるでしょう。すべての人に大切なことですが、特にこの学びでは子どもにむけて、みなさんで考えていきたいと思います。

子どもの育ちは、生まれてから連続していて、経験してきたことを土台として積み重ねられていきます。小学生以降の学童期に入ると、関心が教科学習やスポーツ、技能に一層大きく向けられるようになり、創造的であること、自然体験、空想する時間や、心身を緩めて休む時間が保障されにくくなってくるようです。

人とのふれあいや諍いを通した人間関係、異年齢の関わりなど、少しずつ自分たちで学び、解決していかなくてはいけない過渡期に、それらの活動が十分に経験できる場が必要だろうと考えます。もしかしたら、幼児期に取りこぼしてしまったこともあるかもしれません。時間は戻りませんが、やり残してきたことに向き合うことはいつからでもできると思います。幼児期に続く学童期にしっかりと向き合い、一人ひとりがこの先を幸せに生きていくことを考えます。

この旅のテーマは『子どもの幸せを見つける旅』です。

訪問先1:秋田市「ハラッパ AFTER SCOOL」

最初の訪問先は秋田市です。秋田駅近くの文化エリアで、2022年に開いた学童保育「ハラッパ AFTER SCHOOL」さんです。

ハラッパ AFTER SCHOOLの環境

目を引くのはその環境です。ハラッパ AFTER SCOOLさんでは、頭と手をたくさん動かすことを大切にしており、ネフ社の積木や、デュシマ社の構成遊び、ボードゲームなど、たくさんのおもちゃを置いています。知恵と技術を発揮するおもちゃがかなり低年齢で与えられる傾向にあります。学童期に入ると、遊びといえば塗り絵や折り紙、将棋やオセロ。または電子ゲームやIT端末、動画などで時間を過ごしがちですが、複雑な積木やセンスが問われる構成遊びは、小学生以降からが本領発揮だと思っています。

ハラッパ AFTER SCOOLさんが、立ち上げから意識した豊かな遊び環境を、ぜひご覧いただきたいです。

生活と人との関わり

放課後、また長期のお休みと、小学生が学童保育で過ごす時間は長くなっています。この時代では、学童保育は、家庭、学校に続く第3の場として重要視されるべきだと思います。時間を潰す場所ではなく、学童ならではの育ちの場所。成長期の栄養や、人との関わりにも配慮が必要です。どういったことを心がけ、実践しているのか、お話を伺いたいと思います。

創造性を育む

ハラッパ AFTER SCOOLさんが特に大切にされているのは、クリエイティブであること。このマインドがあれば、どのような状況でも生き抜けることができるのではないでしょうか。ひらめき、センス、ユーモア、機転は、逆境に陥ったときの助けとなります。その土台となるのは創造性です。天性のものだけでなく、経験によって育むことができるものです。

小さな枠の中で決められたことだけをこなしていては創造性は育ちません。学童保育こそが、のびのびと創造性を育める場所とも言えるのではないでしょうか。手仕事や大工仕事、ドラマづくりや出店など、ユニークな取組からも学びたいと思います。

訪問先2:浦河町「フレンド森のがっこう」

もうひとつ訪れるのは、北海道浦河町に2023年開校した「フレンド森のがっこう」さんです。

フレンド森のがっこう開校にあたり、昨年はクラウドファンディングが実施されました。開校にあたっての思いについては、クラファンサイトの記事をお読みください。

一部抜粋します。

教育を語るとき、大人は子ども達の「将来」を語りたがります。「こうしたら、ああなる」「こういう経験をしたら、このような力がつく」というような議論をよく耳にします。もちろん、将来のことを考えることは大切だけれども、子ども達の「今」をもっと語るべきではないか。子ども達の「都合」や「幸せ」をもっと真剣に考える必要があるのではないか。現代社会の中で多くの子ども達が、自分の存在を丸ごと受け止めてくれる場所を求めているのではないか。

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大自然を味方に

大自然の力は人がとうてい敵うものではありません。北海道日高地方にある浦河町に開校したフレンド森のがっこうは、そのフィールドがまず大きな特徴です。森のがっこうは、その名の通り森の中にあり、校舎はゲル(モンゴルの移動式テント)です。フィールドからの学びにはどのようなものがあるのか、私たちも学びたいと思います。

日高地方は有数の馬の産地であり、森のがっこうも2頭の馬と共に過ごしています。

挑戦できる幸せ

時代は刻々と移ります。今「将来のため」良かれと考えていることが、その将来に本当に良いことなのか、誰にもわかりません。その将来のために、たった今、いろんな気持ちや行動を抑えている子どもたちがいます。『今』が楽しい、『今』が幸せ、それをつなげていけば、今も将来もずっと楽しく幸せでいられるのではないか?

前向きな気持で取り組んだことは、自分の力になります。力を蓄えていけば、将来もし困難に出会ったとしても、乗り越えるだけの胆力が備わっていることでしょう。反対に、低い自己肯定感やマイナスの感情を積み重ねていった先に、ようやく得られたと思われるような幸せを受け止められる力が、まだ残っているのか、それはわかりません。

やりたいことがある、取り組むことができる、それを見失ってしまった大人は少なくありません。フレンド森のがっこうの取り組みから、日頃の思いを掘り下げてみたいと思います。

東京大学との共同研究

2024年、フレンド森のがっこうは、北海道大樹町に拠点を持つ東京大学memu earth lab(メムアースラボ)との『新しい時代の新しい学び』をテーマにした共同研究の契約を結びました。今後、《アート》と《手の感覚》をもとにした体験型学習を実践、研究していきます。こちらについても、ぜひお話を伺いたいと思います。

旅の仲間の協力を得て

今回のスタディツアーは、訪問先の方々から大きなご協力をいただいております。受け入れてくださったことはもちろん、どちらも、普段個人で訪れるのはなかなか難しい場所です。しかも、秋田市では有名な竿燈まつり開催中、北海道浦河町は、誰もが憧れる夏の北海道ピークシーズンでありながら、地元に根ざしたネットワークにより、宿泊や移動の手配にもお力をお借りしました。現地でもたくさんのことを学ばせていただきたいと思います。

この旅により、なにか新しいものが私たちに注がれ、より多くの子どもたちにとっての幸せにつながることを願っています。