昨年11月に、仕事の取引先の方が店を訪れてくださり、お話をして、そのときに、来年の5月には今度は私が訪れる、と決めてそのことをお伝えしました。半年先のことでしたが、頭の片隅にはあって、時期が近づくと、新幹線やホテルも予約して、旅モードを整えていきました。
お伺いし、お話をさせていただいたことでいろいろスッキリしました。子どもの育ちには、良いおもちゃは欠かせないということを、静かに長年信念とされていたこと。目立った講師活動などされていたわけではないのですが、多くない言葉で深く入ってきて、迷いが消えたことにはちょっと自分でもびっくりしました。
突然、店の半分をギャラリー&ミュージアム&so onにすることに決めたのは、この旅で得たことがきっかけです。そう勧められてハッとしました。おもちゃが、子どもを置き去りに選ばれていることや、連続で同じものをご購入のすぐ後に高額で販売されていることを、喜んでいるおもちゃ屋はいないと思います。そのようなことを引き出したり、可能にする環境ができてしまっている中、このおもちゃは子どもを幸せにしてくれるのか、大人を楽しくしてくれるのか、疑ってしまうと心が疲れます。
店に並べたり、お客さまにおすすめしたり、そんな小さな実店舗の小さな商い。それに対して、お取引先さんも、巨大な企業のビジネスの力を必要とし始めていることを感じ取ると、踏ん張るための何かが必要になります。
その何かは、好きな世界観の中でやりたかったことをやっていくこと。それで、おもちゃ屋+ギャラリー&ミュージアムにたどり着いたのでした。見て楽しい美しいおもちゃを並べています。かわいいので見ているだけで幸せ気分になるかも。その空間を喜んでいただけて、子どもさんたちはふとおもちゃに手を伸ばして遊び、最後にひとつおもちゃを選んでいかれる、その光景を嬉しい気持ちで眺めています。
ひらめいてから実際に動かすときは、いつもそうなのですが、店の中が惨事になります。朝早くから出勤して、隠すもの、片付けるもの、分けて、開店時間になっても1日中バタバタしていましたが、なんとか形になりつつあります。こういう行動は速い。
旅に出て、できれば人と話す。店が3分の1ほどひっくり返るきっかけになります。