お家へ帰る

外国に降り立ったときより、日本に入国するほうが手続きが多いのですよね。持ち込む荷物の規制が厳しい。島国だからこれは仕方ないです。国境だらけの大陸ではそんなことやってられないですから。

表示を持って大声だしてる係員さんがあちこち。ああ、騒がしいな、帰ってきたな、と思います。混雑しています。長い列ができている。人が多いです。狭いのに。殺伐という言葉が似合う。こっちの方がストレス。見上げたくなるデザインの空港でゆったりしていたら、もう少し心地よく待てそうなのだけどなあ。

今回、荷物がたくさんで、エスカレーターは危なくて使えませんでした。高さが違う場所は全てエレベーターで移動します。車椅子やベビーカーの方と同じ動き方です。それで初めて知りました。使い勝手が悪い。不便な人たちに対して優しくないなあと思いました。

モノレールや電車に乗って東京駅に向かいます。東京駅から上越新幹線に乗ってしまえば少し落ち着くのですが。

コペンハーゲンもヘルシンキも、鉄道の中央駅から大きい列車が空港直通で近くて楽だったなと思い返しながら乗り換えていきます。そのたびに、不便なエレベーターによる繰り返す上下移動。

浜松町から東京駅に向かうとき、たくさんの荷物を持って車内中ほどまで進むと、もう目的地で降りられなくなるほど人は多い。なので入口付近にいたら、邪魔!と言われる。電車のドアをすぐに閉めようとして、ピリピリ音が鳴り続ける。

北欧で利用してきた列車は、大きな駅の乗り降りは人が多く荷物が多いことを織り込んで、5分くらい停車しています。焦らずに乗り降りできました。それでも時間通りでした。本数も十分にありました。

蒸し暑いのは仕方ないのかもしれない。でも暑さの質が悪い気がしました。エアコンを使うしかない。ヒートアイランド現象の暑さは、太陽が近くて暑かったのとは違う不快さ。空気が悪い。照明が多い、音が多い、文字が多い、過多。たくさんすぎです。

いつも、日本についてから新潟に戻るまでが一番疲れます。向かうときはこんなもんだと思う中からなのでそれほどではないのですが、ヨーロッパでしばらく過ごして戻ってくると、キツイです。

機会を持てる方は、できるだけ行ってみていただきたいです。知らなければこんなものだと思う。でもそれが慣れから麻痺へ、諦めへ、知らないうちに心を重くしている、かもしれません。

今回、コペンハーゲンで電車の故障にあって、フライト大丈夫か?焦ったこともありました。聞き取ったアナウンスは状況の説明だけで、申し訳ないとかはない。日本だと長々と謝罪してくれると思う。もっと、迷惑をかけてはいけないという意識から解放されたいなと切実に思います。どう思われるかな、からも。なぜならそこに心地よさはなく、自分を押し殺すから。自我を通してわがままに振る舞うこととは違います。

帰国便は、日本に帰る人と、日本を訪れる人が乗っています。日本へ向かう旅行者は、ワクワクして本当に日本訪問を楽しみにしてくれている様子です。嬉しいことです。良い体験をしていただけたらと願います。

旅を決めたのは、店を開いて20年を迎えさせていただいて、自分のスタイルが厚くなってきたことに気づいたからです。おもちゃというモノそのものは、大好きです。芯にあります。その上で、おもちゃの選択は絞られてきました。絞って空いたところに降りてきたのは、自分が好きなことをやりながら、人が幸せに生きていくことに関わっていきたいという思いでした。自分が何が好きかを確かめるにもいくつか行程がありましたが、山と旅が好きだと行き着きました。自然にふれること、旅をすることから、良いものに出会い、日々の暮らしに繋げていけたら、その第一歩でした。

一人で動き、時間をかけて品選びをし、同じ場所に何度も行ったり、心ゆくまで撮影したり、十分に向き合えたと思います。観光やグルメはあまりなくて、通り過ぎにちらっと見たり、フードコートやスーパーのお惣菜続きでしたが、現地の風は感じてきました。次に活かしたい学びもたくさんあり、都度メモしました。

素敵なもの見つけてきます。心地よい暮らし探していきたいです。