北欧の風景・こじあける

そのとき私はとてものどが渇いていて、ホテルの部屋の冷蔵庫にはサービスのボトルウォーターが入っていました。ヨーロッパに多い炭酸水です。私は甘くもない、香りもないただの炭酸水が好きで、今飲みたいのはまさにそれ。ですが、このボトルは王冠で封じられていました。栓抜きがないと開けられません。でもどこにも栓抜きはありません。

以前、マンガで、ヨーロッパの人は栓抜きがなくても器用に王冠を開けるとありました。ボトル同士組み合わせたり、机の角で開けたりするそうです。

私は今この冷えた炭酸水を飲みたい。どうしたらフタが開くだろう。サービスデスクに尋ねる?パジャマになってしまった私にそれは面倒なことでした。時間も遅いし。なんとか、ヨーロッパの人々のように栓抜き以外で開けてみたい。

机の角を見ると、ここで開けたと思われる傷がたくさんついていました。私も机の角で挑戦してみましたが、そんな簡単じゃない。ボトルを割ったり、中身が飛び出したら大変。自分がけがをするのも良くない。あきらめて常温の水道水を飲むか?サービスデスクに尋ねるか?もうちょっと開けられないか粘るか。

机の角で、何段階かに分けて、少しずつ開けていきました。最終的に、ついには栓抜きなしで開けることができ、おいしい冷えた炭酸水を飲んで生き返りました。

家族は、ビクトリノックスの万能ナイフを持ち歩いているのですが、その中にはコルク栓抜きや栓抜きがセットされていることがあります。それを持ってたら良かったんだな。

なんで、王冠付きのボトルを冷蔵庫に入れてくれてるのに栓抜きがないんだろうな。