100年前から続く、幸せのデザイン
出版元より引用
籠いっぱいに盛られたブルーベリー。手工芸に囲まれた、ゆったりとした日々。北欧の人々の暮らしぶりは、まるで絵本の世界のように、あたたかく、幸せに満ちています。 そんな幸福な暮らしの中から生まれたからこそ、北欧のデザインは、時を超えてもなお色あせることなく、人々を魅了し続けているのでしょう。 実は、このことを100年以上も前に語っていたスウェーデンの思想家がいました。女性や子どもの権利運動でも知られる、エレン・ケイです。 AIの進化や不安定な社会情勢により、私たちの道徳観や美意識が揺らぎやすい今だからこそ、あらためて「幸福とは何か」を見つめ直すことが大切なのではないでしょうか。 エレン・ケイの言葉には、心豊かに、美しく暮らすためのヒントがたくさん詰まっています。ぜひ手に取って、そのメッセージに耳を傾けていただけたら嬉しく思います。
美しさと幸福
美しさを幅広く捉え、目に見える美的なことだけでなく、おもしろいことががひらめいたとか、なにかから気づきを得たという毎日のこととして考えたとき、それが得られた手応えが幸福感とつながることを感じてきました。しかし、疲れ果てる日々にそれらは失われ、本来持っているはずの好奇心やセンスが発揮できない現実も見ています。
「やり方を教えて欲しい」「思いつかない」「自分にはセンスがない」お聞きするお言葉の端々からです。
そんな折、北欧の国々を訪れ、デンマークのHyggeの概念、デザイン、公共サービスなど、人の幸せを追求した美しさに触れました。これは、誰でも求めても良いものだし、その人なりの実現の仕方がある、ただし、気づく必要があると思いました。その気づきのきっかけとなるかと感じたのがこの書籍でした。
ご自身の中に眠ってしまっている美的感覚やアイデアを掘り起こすものになることを願っています。