語りの場『暮らしとともにある創作』

今日は、仕事の後、アーツカウンシル新潟さん主催の『語りの場 vol.40・暮らしとともにある創作』に参加してきました。会場が医学町ビルだったので、職場からは徒歩10歩。

ゲストは大滝ジュンコさん。現代アートのアーティストから、新潟県の山熊田集落へ移住され、伝統工芸であるしな布織りへの取り組みと継承に尽力されているお話しでした。しな布というのは、シナの木の皮から糸を紡ぎ出し、その糸で織られた布です。ハリがあって、帯に使われることが多いそう。

人の少ない山奥で、情報が限られていて、現代日本とは思えない暮らしがすごく近いところで実際に営まれていること。大滝さんがそれを見て衝撃を受け、おもしろいと思って移住されたということ。その軽やかで自由な心持ちが素敵でした。

核心は、タイトルの通り、しな布の創作が山熊田での生活と深く結びついていることです。材料の入手のために山の中でどう振る舞うか、同じ集落に住む人々とどう関わるか、1年をどう過ごすか。それを土台としてしな布織りがあることがよくわかりました。そんな面倒なことは、ずっと受け継いできた人々にとって、社会の変化の中では価値を見いだせなくなって、消滅してもおかしくなかった。実際その手前だったようです。新たに価値を見つけるのは、案外、一世代飛ばして、外から入ってきた人なのかもしれない。その方が、価値を高め、広め、後継者を育てていくというのは、幸運なことだと思いました。

本当はすごいことなのに、当たり前のようにやってきた人には価値がわかりにくいというのは、よく見たり聞いたりします。壊して現代化するのは理に適っていると考えるのは当然とも思います。そうではなくて、あきらめないで、これはおもしろいのだから残そうと動くことに刺激を受けました。

すっかり引き込まれて、山熊田の方へ行ってみたいと思いました。現在は1階部分は全部雪で埋まっているようです。雪がとけたら、ですね。