床みがき

今年は山に行けないようです。山小屋も営業を見合わせています。
山は逃げません。待つしかないです。
山に行きたい気持ちを、

山登りのゲーム『K2』。
一般人が登るレベルの山ではないですが、お天気とにらめっこ、だんだん薄くなる酸素と消耗する体力などなど、気持ちを込めて楽しめます。

山紀行を映像で見たり、山の本を読んだり、それらも良い。

ですが、なんと、家の中で山を登っているときの心境に達することを発見したのでした。
それは床磨き。
自宅のフローリングは、17年前新築時に貼った無垢板の自然塗装です。明るい板でしたが、3人の男子がペタペタ歩き、食べ物をこぼし、消しゴムカスやら工作のりやらで鍛えられた床は、自然に色濃くなっていました。それは経年のもので木の味わいかと勘違いしていました。ところが、それは蓄積された汚れでした。ワックスはかけていたのですが、ワックスと混ざり合って積もっていたみたい。

汚れ落としのワックスと、細かいサンドペーパーで汚れを落とし、みつろうのワックスをかけ直すと木が蘇りました。
きれいになるんだということがわかり、少しずつフローリング再生の作業をはじめました。家中の木部を手掛けサンドペーパーで全部メンテナンスしようと思ったらどれくらい時間がかかるのだろう。
今は、きれいなところとまだのところがパッチワーク状態です。

この、汚れ落としの時が山を登っているときの境地なのです。ただ、同じ作業を黙々と。ときに手強い所あり、淡々と進める所あり。ふと立ち止まって見渡すと、確実に成果が見える。まだ先は長いけれど動くしかない、そう思ってまた黙々と作業しているとき、頭の中は新しいアイデアが浮かんだり思い出したくないことをぐるぐる思い出し直したり、いい感じで忙しい。山登りは、頂上を踏んで景色やご飯を楽しむだけでなく、登っているときのこの感覚が好きなのです。

やればやるほど家の中がきれいになっていく、素晴らしい山登りの代替品。身体も動かせますし。
店の床もやろうと思いました。