あそびの迷子

店内に、積木やレールの遊びをお試しいただくコーナーがあります。

いくつかのメーカーを混ぜて、世界観をイメージしやすい材料を置きました。目を引いて、よく触れていただいていますが、一瞬でぐちゃっとなって、そのままになっていることがよくあります。

秩序がなくなってしまうと、途端にその場は人気がなくなります。積み直しておくとまた手が伸びてきます。触ってみたくなるにはわけがあるみたい。

積み木遊びは経験の積み重ね。慣れていないと戸惑いますね。このコーナーでは、材料の一部を固定してみました。与えられる刺激は一度に大量ではない方が良さそう。線路や樹木など、身の回りでも動かないものをテーブルに止めて、車や動物、人をのびのびと動かせるようにしてみました。

この先、自由に建物や木をつくってみたいという思いが湧いてきたら外していくことができます。環境の仕掛けを考えて、試していくことが楽しい。ぜひ、おうちでも、保育現場でも、もっと遊びが発展するように、いろいろやってみていただけたらと思います。

MICKIの駅止めは、地味ながら良い仕事をしてくれます。線路の終点をつくっておくだけで「ここで終わり」と落ち着くようです。ないと、脱線してテーブルから落ちて、違う楽しみに目覚めてしまって、と遊びが迷子になってしまうことも。ジョイントを外せるので、継ぎ目の部分がどちらの形でも大丈夫。

環境をつくってみる。思ったとおりに作用しなかったら原因を考える。思い当たったところから改善を試してみる。様子を見る。この繰り返し、特に、どうやったらもっと良い環境になるだろうと考えるプロセスは、悩ましいけれど楽しいです。

今回の試み、おもちゃの一部を固定して落ち着かせることで、遊ぶ人も、見守る人も落ち着いたように思います。