叩くためのおもちゃ

保育士さんとの雑談。園で上司から「おもちゃに頼らないで、もっと保育士の力を上げて保育しなさい」とアドバイスをうけたとのことでした。

そのときふと思い出したのは、このハンマートーイ、子どもから100回本気で叩かれても平気でまた「どうぞ叩いて」って誘うおもちゃなのですよね、ということ。私は100回叩かれても平気なように自分を鍛えることはできないです。これは、おもちゃが担うことができる素晴らしいおもちゃの力だと思います。

ペグを狙って正確にハンマーを打つこと、力加減、繰り返すことの集中と持続、いずれも充分に経験したいことで、何度も叩くことを受け止めてくれるのであればとてもよい道具です。

アドバイスの本質はここではないのでしょう。おもちゃがあることで、安心してこどもをおもちゃに任せっぱなしというイメージができるのかなと推測しています。実際は、おもちゃはスタートで、そこからが難しいと感じています。おもちゃを媒介として、どう子どもたちと関わるかということには、感性、力量、経験、全てハイレベルで問われます。

「おもちゃを使って保育士の力を上げましょう」が現実的と感じています。

おもちゃは遊びのための道具で、ヒトは道具を使って進化してきたので、よくできた道具は積極的に使っていいのではないかと思いながら、私たちおもちゃ屋も、良い道具の良い使い方を日々探しています。