おもちゃは食べ物の感覚で

2歳半の方に、ゲームを選んであげたいというご相談でした。これまで、つい先へ先へと少し難しいものを選んでしまいがちだったとのこと。しかし、最近はその時にちょうどよいものでないと上手に遊べないし興味も持ってもらえないと感じている、と伺いました。2歳半でゲームというのも「触れさせてみたいけどまだ難しいでしょうか。」とのことでしたので、成長に伴って遊び方を変えていくことができるメモリーゲームをご紹介しました。

発達とおもちゃの関係については、お洋服より食べ物の感覚でと考えています。お洋服は、少しくらい大きめのものも着せてあげられます。すぐに体が大きくなりますから、ちょうど良いものを買うとあっという間に着られなるというご心配、よく理解できます。私もそうでした。(なおちょうど良い体型になる頃には服のほうがヨレヨレしてました。)でも、食べ物は無理しないと思います。今食べられる、ピッタリのものしかあげないと思うのです。おもちゃも、そっち寄りと考えます。ちょうど良いものしか関心を持って遊ぼうとしない。先取りができないものですし、遊べない時に手にして、これはおもしろくないという思いを持ってしまうと、できる頃になっても関心が戻ってこないこともあってかえってもったいない。

食べ物と違うのは、何歳だからこうという一定の目安がもっと幅広いこと。また個人の違いも大きいこと。今目の前のお子さんのことをよく見ることが必要になってきます。私達おもちゃ屋スタッフも、今何歳だからと言うことをお伺いして、参考にはさせていただきますが、それに囚われすぎない意識を心がけています。

だからますます、一つのおもちゃなのに発達段階でいろいろ遊び方が変えられて、個人の興味の違いにも対応できるおもちゃたちは素晴らしく、お得だと感心します。メモリーカードもその一つ。

もうひとつ。これはもう幼いのでは?もっと早い時期に手渡すべきだった、と感じるおもちゃ。それは、大人の目で見ておもしろいでしょうか。もしおもしろいなら、大人にもおもしろいのだから大丈夫。玉が転がってグロッケンの音がする玉の塔、大人の人も喜んで繰り返して遊んでいます。4歳だからもう遅いということはないでしょう。大体の傾向ですが、思い描くよりもっともっとシンプルな簡単な仕組みのおもちゃで大丈夫です。子どもは難しいことより楽しいほうが好き。楽しくなかったら楽しい遊び方に変えてしまうけど、そっちのほうが大人には後々面倒になりがちです。おもちゃは、楽しく遊んでもらえたらいちばんもったいなくない。大人の関わりも大事になってきますが、良い出会いができますことを願っています。